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線を描く

 

 

去る4/20㈯。独演会《線を描く》、無事終わりました。

ソロの自主公演は一昨年の地元でのリサイタルぶり。

まずは、この機会を下さった最高の会場 cafe MURIWUIさん、当日スタッフの皆さん、そしてご来場いただいたたくさんのお客様...本当にありがとうございました。

 

cafe MURIWUI(カフェ ムリウイ)に初めて足を踏み入れたのは、去年の2月。

地元でのリサイタルで当時フライヤーデザインから本番の映像まで手掛けてくださった岩井美佳さんの勧めで、その時やってるイベントで面白そうなものをチェックして行ってみた。

 

初めて行ったイベントは、公演名は失念してしまったけどブルースハーモニカ、ギターと尺八、舞踏の催しだった。

これがまた言葉にできないくらい物凄い公演で、「エライところに来てしまった…」と帰りに漏らしたくらい。興奮して完全に勢いで夜中岩井さんにメッセージ送っていた。

出演していた舞踏家のホシノメグミさんの踊りが私にとって超衝撃で、その一夜で大好きになってしまった。そして、それをきっかけにムリウイさんのイベントページを漁り、ことある毎に足を運ぶ常連客になっていったのだ。

これが、私とcafe MURIWUIとの出会い。

 

そんな足繁くかよった場所で、私の公演が決まったのが今年の2月。

丁度その時、「これ、面白そう...」とネットで購入したA.Blankの『LINE DRAWINGS』という作品を練習していたので、これをメインにすることを決意した。

会場にはピアノはない。LINE DRAWINGSは、丁度ソプラノサックス無伴奏の作品。だったらもう、オール無伴奏で100%ワタシ味が一番いいだろうと、公演の大筋が決まった。

 

もともと、詩を書くのが好きだ。

音楽と感情。風景を見ていて、言葉が沸いてくる色や時間。

 

『心臓がぎゅうってする温度や空気』

 

車窓から眺める夕陽が好きで、

都会の煌めく無造作な光が好きで、

川を越える瞬間が好きで。

電車の中、周りの人は手元の画面を見ていたり、寝ていたり、隣の人と会話をしたり。

私独りが同じ箱の中で違う温度を感じているのか。

電車がすれ違って、反射した私が映っていた。

見ている輪郭は本物か 私は妄想かも知れなくて。

 

そうやって思う時間を形にしようとして、たくさんの時間帯の風景を撮りためた。

自分の感情に染まった風景の中で、演奏する。

おそらくこれには即興が良い。「雨」と「視界」は付帯的な私の思いじゃなくて、完全に世界の中がいい...と、やった事ないのに即興で演奏する事を選んだ。

ロックバンドで使っているマルチボーカルエフェクター。空間系エフェクターが好きで、その中でもディレイが好き。音が増えていく、重なる。

これは絶対に使えるし、使いたい。

練習の時は音遊びをしていた。すきな音と進行。本番のテンションがきっと進行の必然性を生むと思う。

 

本番は即興をやってる時がいちばん楽しかった。

 

 

映像を打つためにプロジェクターを購入し、詩を書き下ろして手作りで冊子を作って。飾り照明を自作する。45分間無伴奏、休憩なし。

当たり前だけど馬鹿みたいにハードだったし、「自分って馬鹿だな」と思った。

 

ムリウイオーナー様、当日スタッフをしてもらったお二人にものすごく手伝ってもらって、無事に最高の形になりました。

たくさんのご予約から、当日興味を持って見に来てくださった方まで。

恵まれていた。本当に感謝しかないです。

 

こういう形が好きだし、きっと向いている。

脳ミソが震えるような世界を見えるようにしたい。

またやります。また、感情の先端の世界に触れられるように。

 

 

当日の動画もいただけたので、自分のYouTubeチャンネルで少しずつ出していこうかな。

 

本当にありがとうございました。

 

 



《線を描く》

solo soprano saxophone

三田千晶


Syrinx/C.Debussy

Sonata a-moll/C.P.E.Bach

雨/improvisation

Monodie op-216 n11

視界/improvisation

Line Drawings/A.Blank